Rabbit’s Digital Group 海外人材交流研修レポート ~プランナー 原口篇 ~ vol.4
#4 _タイ語も英語も話せないプランナーの企画の通し方
Rabbit’s Tale に来て2ヶ月経ち、ようやく企画をお買い上げしてもらえました。 私は英語もタイ語も話せず、タイに行く前のはじめてのオンライン面談では、びっしり書いたカンペも使えず、質問されても石のようにじっと何も話さずに、そのまま会議が終了したことがありました。そんな言語レベルの私ですが企画出しで感じたことをメモしておきます。
■そもそもなぜ海外では、企画が通りにくくなるのか
それは「あたりまえの共通認識が違うポイント」があるからです。代理店と制作会社、タイと日本、各媒体のリテラシーなど国の違いだけでなく、さまざまな理由で認識が違うポイントがあります。そこを感じ取る力、そのギャップを埋めていく作業やツールが必要でした。もちろん企画を通すのに、一番大事なのは、ビックアイディアの良さです。そこのヒントとなる意志の共有を大切にすることでアイディアも良くなっていくと感じました。
■ まずは与件の把握
本来言語が違うので与件のすり合わせは難しいのですが、Rabbit’s Taleでは与件シートを英語で丁寧に制作し、そのシートを元にしっかり社内とクライアントが意見をあわせていきます。(それは当たり前なのですが、日本の案件の方がシートが存在しなかったり、簡単に覆ったりとうまく機能しておらず混乱することが多いかもしれません。。!)なのでプランナーは、そこを大切にします。 しかし、気にしなければいけないのはそれだけでなく、会社や国の常識で異なる「裏与件」が存在します。この会社では、「SNSの拡散」などの感覚を重要視されていたり、「コピーの精度の高さ」を求められていたりその裏与件はさまざまです。そこを言葉が通じない状態で最初に把握するのが難しいので、対処として企画を出しFBをもらい受け入れ裏与件の項目リストを更新していくことが必要でした。
■インサイトのすり合わせ
始めのうちは、FBで与件やインサイトとのずれを指摘されかなり歯がゆかったです。Rabbit’s Taleでは、ターゲットの好みがなかなかしっくりこず、そのすり合わせに時間がかかりました。そこで、日本で企画を出すよりも幅広く企画を出しFBをもらうと狙いが定めやすかったです。 タイのメンバーは海外の事例にとても詳しく、日本の広告もよく知ってくれていました。Facebookでは日本のCMのまとめページがあり、それをみてゲラゲラ笑ってくれていて、日本よりも視野が広い印象でした。海外の研修は、短時間でそこを頑張るので、プランナーやディレクターにとっては、とても訓練になると感じました。
■言語ではなく感覚の共有
アイディアは基本的にイラストで持っていきました。私の絵は特にうまいわけではないのですが、伝えたいことをイメージしてもらえるようにポンチ絵でも良いので持っていきました。また海外事例も企画とセットで持っていきました。いままでカンヌなど日本の感覚と少し離れていたので参考としてうまく活用しにくいイメージがあったのですが、海外の子と共通の評価基準や良い事例の感覚を共有できるのでありがたかったです。また日本からなるべく自分の好きな本やコンテンツを持って行き、自分に似た価値観の子に見つけてもらいやすくしました。その子に噛み砕いてもらうことで感覚の共有がしやすくなりました。
■企画を通すには?のまとめ
具体的なノウハウよりも、「バックグランドをいかに共有していくか」の努力が肝心だなと感じました。しかしこの意識は、海外だけでなく日本でのはじめてのクライアントや転職したときの対処法と同じだと思います。日本語が話せても背景が違う人との意見のすり合わせをしないと企画は通りません。そこを埋めていくことも大切なプランナーの仕事だなと感じました。
外国語が話せない人も、言語が話せないことを心配するよりも、価値観の合う人合わない人との、共有が大切だと感じました。